2009年11月08日

かけひきは、恋のはじまり

僕が2009年96本目に観た映画は、WOWOWで録画した「かけひきは、恋のはじまり」です。

舞台は禁酒法時代のアメリカ。主人公ドッジは既にスポーツ選手としては高齢の域に達している、プロのアメフト選手。
そんな彼の所属するチームは、他のチームが辿った結末と同様、資金難から解散に追い込まれます。

起死回生のチャンスを模索するドッジ。
そんなある日、大学のフットボール選手のスターであり、戦争の英雄でもあるカーターに目を付けます。

早速カーターと彼のエージェントに会いにいくドッジ。持ち前の口八丁手八丁で、カーターを見事チームに引き込むことに成功します。

一方、カーターが偽物の英雄であるという情報をキャッチする新聞社。
スキャンダルは金になるため、カーターの化けの皮を剥ぐために、敏腕記者レクシーが送りこまれてきます。

カーターの加入で再始動したチームは、ドッジの予想通り、興行収入もうなぎ上り。
たくみな戦術により、カーターは一躍戦争の英雄にして、プロフットボール界の花形選手に昇りつめて行きます。

そんなカーターに計算から近づくレクシー。
そんな彼女が気になるドッジ。
巧みな言葉の応酬で、二人の距離は少しずつ近づいていきますが、カーターもレクシーに好意を寄せ始めます。

そんなある日、戦争の英雄が造られたものであることをレクシーに語るカーター。
目的を達して、暴露記事を書くレクシー。

3人の関係が崩れ始める中、カーターは急遽ライバルチームへの移籍が決まります。

と同時に、スキャンダルに塗れたアメフト界は、新たな会長により、クリーンなスポーツの旗印の元、失地回復に打って出ます。

そんな矢先、ドッジのチームは、早々にカーターのチームと対戦することになり・・

果たしてドッジ、カーター、レクシーの三角関係の行く末は?

ドッジは、アメリカ国民は、クリーンなだけのスポーツに何を思うのか?

アメリカ国民は、なにを拠り所に、なにを是とするのか?

英雄は造られたものではいけないのか?

そしてドッジとレクシーの下す決断は?

といったお話ですね。

 ◆◆

舞台は禁酒法時代のアメリカ・・暗い世相ですが、人々に元気が合って、工夫を凝らしながら懸命に、そして前向きに生きていた時代を描いてますね。
そんな時代だから、法の目を盗んで酒を飲むことと同様、スポーツは数少ない娯楽でストレス発散になるし、例え作り上げられた偽物の英雄でも、国民は夢を見たい・・もっと言えば夢を見ていたい・・そこには本物偽物といった倫理観にも通じることは関係ない。正義は、真実は尊いかもしれないが、常識の範囲内でそこから逸脱することも、生きていくための潤滑油として時には必要といったことを、本作は描いてますね。

で、その描き方といったら、笑っちゃ程ベタ。

映像もそれなりに古き良き時代の雰囲気が出ているとは思いますが、何故か学芸会を見ているかのような違和感がアリアリです。
どうしてだろうと思ったんですが、これは主演の二人、ジョージ・クルーニーとレニー・ゼルウィガーが、劇中の設定年齢には無理があり過ぎて、物語に入り込めない程、浮いちゃってるからだということに気がつきました。

加えて、二人の台詞が、設定年齢にはそぐわないような大人のウィットに富んだ言葉の応酬なんですね。
洒落てはいるんですが、ものすごくミスマッチ。

まぁそういったミスマッチ感覚も含めて、かわいらしい作品とも取れる訳ですが。(笑)

観終わった後に何も残らないような映画ですが、良く言えば一陣のそよ風みたいな作品でしょうかね。

何故本作はライトタッチが似合うのか・・上にも書いたような時代背景と、いつの世も人々は英雄を好むという下敷きをきちんと把握した上で本作を観ると、実は意外と細かいところまで計算された映画だということに気づくかもしれません。
posted by solata at 21:24| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月04日

ハンコック

僕が2009年95本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ハンコック」です。

超人パワーで数々の地球の危機を救ってきたハンコック・・スーパーヒーローの筈が飲んだくれで、愛想が悪く、危機を救う毎に街を破壊しまくってしまう始末。
そんな彼は、屑野郎と市民から嫌われています。

ある日、線路内で車が立ち往生してしまい、絶体絶命のピンチに陥ったPRプロモーターのレイを、ハンコックが寸でのところで助けます。
これを縁に、レイはハンコックに、市民から愛されるスーパーヒーローになる手助けをしたいと申し出て、孤独なハンコックを自宅にも招き入れるようになります。

ところが、レイの妻メアリーは、異常なほどにハンコックを毛嫌いし、少しずつレイを信じ始め、友情を感じ出すハンコックでありましたが、輪に入れてもらえない疎外感から、一際寂しさに耐えられなくなるほどの辛さを味わっていきます。

ある日レイは、ハンコックに刑務所に入ることを勧めます。
彼が街から居なくなることで、彼の必要性を世間に知らしめようとの計算からでした。

レイに従って、刑務所に入るハンコック。
刑務所内での面会で、レイはハンコックに、愛されるヒーローとしての立ち振る舞いや、言動をレクチャーしていきます。

暫く立って、レイの計算通り、犯罪が増え始め、ある日警察官も負傷する銀行強盗事件が発生し、警察はハンコックに助けを求めます。

さて、いよいよハンコックの出番・・レイの教え通り、優等生のヒーローとして活躍するハンコック。
見事事件を解決して、市民からも愛され始めるハンコック。
全てが変わりだし、人を信じてみようと思い始めます。

そんなある日、レイの家で、信じがたいメアリーの正体を知ってしまうハンコック。

こうして、微妙な三角関係へと発展していく中、先の銀行強盗事件で服役した犯人達が脱獄して・・

果たして、ハンコックとメアリーが背負ってきた運命の十字架とは?

レイを含めた3人の行く末は?

命を賭けた闘いの果てに、彼らは新たな運命として何を選択するのか?

といったお話ですね。

 ◆◆

いやぁ〜、この映画、全然期待していなかったんですが、すごく面白かったです。

観る前は、嫌われ者のスーパーヒーローが更生して、市民に受け入れられて、悪をやっつける程度の話だと思ってたんですがとんでもない。

ハチャメチャな前半に始まり、ハンコックの孤独や苦しみを描きながら、同時に友情や家庭の温かさに触れつつ、少しずつ人間として成長していく中盤。
意外な事実が明らかになり、かつての人生のパートナーとの、決して結ばれることの許されない悲恋をブリッジに、圧倒的情感に訴えた命を賭けた闘いになだれ込む後半。
そして、ハンコックとパートナー、友情を結んだレイが、それぞれが生きていく場所を選択しながらも、お互いが固い絆で結ばれていることを感じさせてくれるラスト。

いっぱい笑わされて、ちょっとホロリとさせられて、微妙な三角関係に少しドキドキさせられて、そして熱い闘いに手に汗握る。
まんまと、制作側の意図にハマって、堪能させて頂きました。

たかだか92分間の映画ですが、密度が濃く、よく練られた脚本は見事の一言です。
なんでウィル・スミスが本作の主演を受けたか、映画を観て始めて理解できました。

それでも、本作の最大の見どころは、やはりシャーリーズ・セロンですね。
あれだけの美貌の持ち主にして、魅惑的なスーパーウーマン・・実はこれだけで他は何もいらないってくらい、画面に釘付けでした。(笑)


posted by solata at 22:15| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月03日

BON JOVI「ザ・サークル」第一印象

Twitterでもつぶやきましたが、本日AmazonからBON JOVI「ザ・サークル〜デラックス・エディション」が届きました。

BonJovi01.jpg

で、先ほど通して聴き終えましたので、第一印象を書いておきます。

まずサウンドとしては、アルバム「Have a Nice Day」がより大人なサウンドに進化したといった感じで、今まで以上の幅広いアレンジで味付けされています。
そのアレンジは、時にU2っぽく、時にThe Carsっぽく、幅広さと懐の深さを聴かせてくれますが、アルバム全体を通して息づくテイストは、やはりBON JOVI。
もはや荒削りだけど元気のあった楽曲やハードでかっこいい楽曲を聴くことはできなくなりましたが、まだまだバンドは、より大人のサウンドへの進化を続けているんですね。

かつてTHE BEATLESのジャンルがTHE BEATLESであったように、BON JOVIのジャンルもアメリカン・ロックからBON JOVIと言えるようになってきた気がします。

話がそれてしまいましたが、「ザ・サークル」の弱点としては、キラーチューンがないことです。
その代わりと言ってはなんですが、捨て曲がなく、アルバム通してのクオリティの高さは素晴らしいですよ。
分かりやすく言えば、他のアルバムに較べて、アルバム2曲目の扱いの違いを聴き比べると、いかに本作に捨て曲がないかが実感できます。

また、バラードの出来もよく、近作に多い新世代(?)のバラードっぽい「WHEN WE WERE BEAUTIFUL」があったかと思えば、往年のBON JOVIバラードを彷彿とさせる「LIVE BEFORE YOU DIE」があったりと、新旧ファンのいずれも満足できそうです。

僕的には、「WHEN WE WERE BEAUTIFUL」と「LEARN TO LOVE」は心にビシビシと響いてくる感じのする名曲に感じました。

リッチーのギターも迷いがなくて良いです。
そのギターサウンドは、ベースはあくまでアルバム「Have a Nice Day」ですが、そこにアルバム「Lost Highway」で見せたギターオーケストレーション的バラエティさや、アルバム「Bounce」を彷彿とさせるハードなディストーションサウンドまで、今まではアルバムのカラーに合わせたギターサウンドが多かったところが、本作では楽曲毎のカラーに合わせて、自由なイマジネーションで、ギターサウンドを構築した感があって、きっとスッキリとした気持ちでプレイできたんだろうなぁと感じます。

 ◆◆

デラックス・エディションにはDVDが付属しているのですが、なんとこちらには、リッチーが「I'll Be There For You」をメインボーカルで唄っているライブ映像が含まれているんですよ!

これはグッときますよぉ!



posted by solata at 23:32| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月24日

ブラインドネス

僕が2009年94本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ブラインドネス」です。

ある日、日本人男性が突然視力を失います。本人は目の前が真っ白だと訴えます。
この現象は脅威の感染力を持つ伝染病で、関与した人達を皮切りに、あっという間に世界に拡大していきます。

政府は専門家を集め対策を練ろうとしますが、やがて政府の関係者までもが感染し、世界は有効な対策手段を見出せずに、無秩序状態へと堕ちていきます。

そんな中、政府が採った唯一の政策が、感染者の強制隔離でした。

こうして主人公の女性をはじめ、多くの人達が収容所に連れてこられます。
収容所は軍によって厳しく監視され、さながら脱出不能の監獄と化していきます。

隔離された人々は視力を失ったことによる不安だけに留まらず、食料不足や衛生面の悪化等の要因により、日増しに苛立ちを募らせていき、やがては理不尽な暴力が支配する無秩序状態になっていきます。

果たして、収容所内で実は唯一「見えている」主人公は、如何にしてこの対立をくぐり抜けていくのか?

また、主人公達は、生きて収容所を出ることができるのか?

失明した都市は? 世界は?

そして人類に、視力は戻ってくるのか?

といったお話ですね。

 ◆◆

この映画、観る前に思っていた内容とはかなり違っていました。
当初は全世界失明の危機に、国家同士が協力して打開策を探っていく話と、唯一見えている主人公の女性の闘いの話が平行して進むのかと思っていましたが、この恐怖の伝染病については、ある日突然始まり、ある日突然終わったというように、何の科学的見地や分析も加えない扱いに留まります。

それより、映画の本題は、極限状況に追い込まれた時に明らかになる心の闇、エゴのぶつかり合いと言った、人間が持つ残忍さやいやらしさを描くことにありました。

ですが上のように書くと重いテーマを扱った人間ドラマのように思われてしまうかもしれませんが、あくまで物語が目指したものがそうであったというだけで、実態はあまりに陳腐で緊迫感のない脚本で、終始ゆるゆるでやたらと2時間が長く感じるという代物でした。

また、物語をもっとリアルに感じられるように、強制収容された当初の綺麗さから、日を追う毎にやつれていく様を、もっときちんとメイクや衣装やセットで演出して欲しかったのですが、そういった拘りも見られなくて残念でした。

本作は、カナダ、ブラジル、日本の合作なのですが、上記の拘りのないあたり、映像の細かいことは気にせずにひたすらアイデアだけで勝負しようとするカナダ映画の色合いが濃くでた結果かもしれません。

話は大きく2つのパートに別れ、収容所内でのおぞましい人間模様を描く冒頭から中盤までと、収容所から出て、失明した人達が食料を求めてさまよい歩く終盤という構成になっています。特にこの終盤の描写はさながらゾンビ映画を観ているような不気味さがあり、本作において唯一見応えのある部分かもしれません。

それから本題とはそれますが、日本人同士の会話において、英語を喋らずに長い日本語の台詞で見せるあたりは、いかにも制作にアメリカが入っていない結果ですね。
彼らは英語以外の言語を映画で扱うのを極端に避けようとする人種ですからね。
この点は、カナダ、ブラジル、日本による制作で良かったと思います。

本作は何度も映画館で予告編を観ていて、その予告編の出来のよさからついつい期待度が増していたんだと思います。
ということで、期待しすぎによる期待はずれの感が大きいですね。
もっと「無」の状態で本作を観れば、もう少し見方が変わったかもしれません。
posted by solata at 16:03| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月21日

私は貝になりたい

僕が2009年93本目に観た映画は、WOWOWで録画した「私は貝になりたい」です。

主人公清水は、片足が不自由ではありますが、高知の漁港で最愛の妻と息子に囲まれ、貧しくはありますが、ささやかな幸せをようやっと手に入れ、身を粉にして床屋を切り盛りしています。

ですが時代は戦時、戦局が悪化する中、ついに清水の元にも赤紙が届きます。

人情に厚い清水は出来の悪い仲間の二等兵をかばい、自ら上官の憎まれ役を買って出る優しさを持ちますが、兵役には到底向いているとは言えません。

そんなある日、西日本を空爆した敵機が撃墜され、飛行士が山中に隠れているとの情報が流れ、清水が属する部隊が捕虜の討伐に向かいます。

ほどなく捕虜を発見する部隊。「捕虜の討伐」というあいまいな表現の命令が出され、部隊はその場で捕虜殺害を決定します。

その殺害の実行者として不運にも選ばれてしまう清水。

やがて戦争は終結し、清水も床屋に戻り、以前の平穏な日々が戻ってきたように感じます。

ですがそんなある日、今度はMPに逮捕されてしまう清水。
容疑は先の捕虜殺害。裁判にかけられ、極刑の判決を言い渡され、あまりの理不尽さに取り乱してしまいます。

日々処刑の恐怖を感じながら、再審の要求と減刑に希望を托します。

そんな状況を知らされた妻も、生まれたばかりの娘を背負い、減刑の嘆願書の書名を集めるために、豪雪の中、奔走します。

こうしてついには状況が好転してきたと感じる清水。

そんなある日・・

といったお話ですね。

 ◆◆

さて、この手の戦犯物は比較的実話ベースのものが多いですが、そんな中、本作はフィクションですね。

織り込まれているドラマはしっかりしており、戦時に上官に翻弄され、自身の主張は正当に評価されることなく、絶望的な末路に向かっていく一人の二等兵の、それはそれはやるせないほどの理不尽な人生がよく描かれています。

加えて、そこに切ない夫婦愛をも折り込み、この横糸と縦糸の相乗効果で、観るものに、感動ではなく、あまりに受け入れがたい理不尽さを感じさせる仕上がりを見せてくれたと思います。

僕等戦争をリアルタイムで経験していないものには、本当の恐怖ややるせなさといった気持ちは知る由もありませんが、他の映画でもよく描かれるように、将校が処刑に当たって立派な言動を残すのに対して、二等兵のような末端の人達は、自分の死に当たっても人生を悟るというような境地に達することはできずに、本作の主人公のように、無念を感じることすらできない絶望と理不尽さを味わされたんだろうと推察します。

「もし、生まれ変わることができたら・・もう人間には生まれたくない」

という、自分に関係する全てを拒絶する台詞は、あまりに理不尽で、観ているこちらも、涙すらでませんでした。

このような映画は、ご多分に漏れず、役者の演技力が物を言いますね。
脇を固める役者はいずれもすばらしく、重厚なドラマを見事に盛り上げてくれています。

特に石坂浩二さんの将校は素晴らしく、その表情一つ一つに深い思いが込められている感じがして、決して物静かではありませんが、抜群の存在感を見せてくれました。
藤田まことさんが将校を演じた「明日への遺言」と言う映画があるのですが、是非両方の映画を観て、見比べて欲しいと思います。

対して、主役のSMAPの中居正広くんですが・・
劇中で少し出演する草なぎ剛くんが抜群の存在感を見せるのに対して、中居くんはちょっと見劣りしてしまいます。

ですが、その演技は決して下手なわけではないと思います。

これはやはり「中居正広」という世間で思われているキャラクターから、どうしても本作のような役には違和感を感じてしまうんだと思います。
良い例としては、ジム・キャリーがシリアス路線にも幅を広げようとした「ナンバー23」という映画があるのですが、やはり彼のイメージから失敗した映画でした。

ジム・キャリーのように演技力がある人でもそうなのですから、役者としての経験が浅い中居くんには無理もない話だと思います。

ですので、映画自体をぶち壊しにしなかった中居くんの演技は、よく善戦した方だと思います。

こんな感じで、本作では感動の代わりに、受け入れがたい理不尽さを味わされると思いますが、またここにひとつ、日本映画らしい重厚な秀作が生まれたと思います。


posted by solata at 23:07| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

ハプニング

僕が2009年92本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ハプニング」です。

ある日、ニューヨークで、人々が理解不能な言葉を発しだしたかと思うと、次々と自らの命を断っていくという、衝撃的な出来事が起こります。

この異常現象は徐々に広がりを見せ、フィラデルフィアの科学教師である主人公・エリオットは、彼の妻と、同僚の数学教師とその娘とともに、安全な地を求めて脱出を図ります。

折しも数学教師の妻の脱出が遅れ、数学教師は娘をエリオット達に托し、決死の救出に向かいます。

一方、エリオット達も、四方八方から同様に逃げてきた人達に出くわし、ついには舗装路による逃げ道を失っていきます。

そんな中、この異常現象は人が居ないような僻地には及ばないと推測できるようになり、エリオット達はわざと少人数のグループに分かれて、地図にない僻地を目指して行きます。

ですが、そんなエリオット達にも、確実に異常現象の魔の手が迫り・・

果たしてこの異常現象の正体は?・・

自然が人類に牙を剥いたのか?

政府やCIAが関与している、細菌兵器の実験による副作用なのか?

エリオット達の運命は?

といったお話ですね。

 ◆◆

本作の監督は、あの「シックス・センス」を生み出したM・ナイト・シャマランですね。
この監督は「シックス・センス」で傑作を生み出したかと思うと、「アンブレイカブル」でとんでもない珍作を生み出すというように、かなり当たり外れのある監督です。

で、本作はどうだったかというと、またここにひとつ、困った駄作を生み出してしまいましたね。
自身の「シックス・センス」を超えるどころか、それに迫る映画ももはや期待できないんですかねぇ。
ちょっとガッカリです。

本作は、人間の環境破壊に対して、逃げることのできない植物の毒素による脅威を示すことで、人類に警鐘を鳴らすことが主題の映画です。

劇中で自然の脅威に対して立ち向かっていく中心人物には、科学と数学の先生という性格が与えられています。
このことから、ちょっとは頭を使った、観るものに「なるほど」と思わせるような展開を期待してしまいますが、ストーリー展開にこのキャラクタ設定が全く生かされてなく、あまりに無力なまわりの人間と同様に扱われるだけで、「いったい何のための前振りとキャラクタ設定だったんだろう」と、首を傾げることしかできません。

毒素により人間が自ら命を断っていくところは衝撃的ですが、見方を変えれば自然界の出来事だからディザスタームービーとも言えます。
「だから人間は無力」と言いたいのかもしれませんが、ディザスタームービーの秀作というものは、無力の中にも、自己犠牲の精神に基づきながら、知力を尽くした闘いを見せてくれるものです。

また、ディザスタームービーであれば、自然の猛威も、そこに巻き込まれる人間に対しても、情け容赦なく徹底的に描写してくれないと盛り上がらないものですが、本作は毒素の有効期間を1日に設定して、全てにおいて中途半端に終わります。

監督自身の手による脚本ですが、ディザスタームービーの執筆に慣れていないのか、物語をどう完結させればいいか分からず、結果、安易にタイムリミットを設けて強引に終わらせた感が強いです。

本作での救いはと言えば、アルマ役のズーイー・デシャネルですかね。
なんとも魅力的な黒髪と瞳の持ち主で、ある意味、この映画で唯一怖かったのが、この人の表情でした。(笑)
きっとこの人は、極上のホラーが似合うと思いますよ。

まぁそんなこんなで・・

本作はちょっと・・ダメっすね。
posted by solata at 01:19| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月15日

バンク・ジョブ

僕が2009年91本目に観た映画は、WOWOWで録画した「バンク・ジョブ」です。

舞台は1971年のロンドン。中古車屋を営む主人公テリーは借金返済に行き詰まっており、日々悪質な取り立てに遭っていますが、彼には気心の知れた仲間たちが居ました。

ある日、友人である女性マルティーヌから、ロイズ銀行がセキュリティシステムを変更する1週間の間は、警備が手薄になり、この間に貸し金庫を襲う計画に誘われます。

用心深いテリーではありますが、日々の汲々とした生活から抜け出す千載一遇のチャンスと考え、仲間たちとともに、銀行強盗を実行に移していきます。

無線マニアに嗅ぎつけられ、寸でのところで捕まる所でしたが、なんとか強盗は成功。まんまと、巨額のキャッシュと宝石を手に入れます。

しかし、この計画には裏があり、マルティーヌはMI-5から麻薬密輸の罪を見逃してもらうことを条件に、アフリカの密輸王が自分が逮捕されない、イギリスをゆする切り札として貸し金庫に隠してある王室のスキャンダル写真を奪い取れという真の目的がありました。

ところが奪ったブツの中には、王室のスキャンダル写真に留まらず、イギリスのポルノ王がイギリスの警官に流している賄賂の帳簿や、現職のイギリスの議員の破廉恥なスキャンダル写真までが含まれており・・

こうしてマフィアとも通じるポルノ王や、汚職警官、MI-5、政界をも巻き込み、テリー達仲間は、想像を絶する命の危険にさらされ、当事者たちの私欲や利権をかけた争いの渦に飲み込まれていきます。

ですが、全ての切り札は、テリー達の手の中にあり・・

果たしてテリー達は、如何に手の内の切り札を使いながら、頭脳ゲームを優位に進めていくのか?

何を失い、何を勝ち取っていけるのか?

指し手を読み違えれば、それは自分たちの死に繋がったり、逮捕という結果になったりという極限状況の中、圧倒的緊迫感を伴う頭脳ゲームの火ぶたは切って落とされる・・

といったお話ですね。

 ◆◆

この映画、実話を基にしているそうです。
使い古された言葉ですが、事実は小説より奇なり、いやぁ〜、面白い映画です。
こういう映画、大好きです。

主演は、色気のある声と鋭く思慮深そうな眼差しだけでノックアウトできるジェイソン・ステイサム。とても頭がよくて、尚且つタフガイを演じさせたら、最近の俳優の中ではNo.1ではないでしょうか?
本作は、そんな彼のために用意されたような、まさにはまり役ですね。

同じようにジェイソンが知能犯を演じた銀行強盗ものの「カオス」という傑作が過去にもありますので、対比しながら観るといいと思います。

「カオス」がアメリカ映画らしい仕上がりだったのに較べて、本作はと言えば、王室のスキャンダルや、重厚で格式高い背景をバックに、緊迫感に満ち、尚且つ知的に展開するストーリー等、いかにもイギリス風です。

加えて、最近では「G.I.ジョー」でも使われた、ビートの効いた「ゲット・イット・オン」を始めとしたロックサウンドといい、全く本作は文句のつけようがない仕上がりだと思います。

傑作クライムサスペンスですよ♪


posted by solata at 23:33| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月13日

イキガミ

僕が2009年90本目に観た映画は、WOWOWで録画した「イキガミ」です。
ついに、今年も90本に到達。年間100本以上目標の映画観賞も目前です。

子供達は小学校入学とともに、ある予防接種を義務付けられています。
これは法律で定められており、1000分の1の確率で、18歳〜24歳までの間に、強制的に死亡させられる時限装置を体内に埋め込むための注射でした。

これにより、国民は生命の尊さを学び、自然と日々を懸命に生きるようになり、ひいてはそれが国家の富の礎となるという、驚愕の法律によるものです。

こんな法律が施行される時代、24歳を過ぎても無事生き残ることができた主人公・藤本は、「逝紙配達人」となり、24時間以内に死ぬことになる対象者に逝紙(イキガミ)を届ける仕事に就きます。

そんな中、デビューを目指すミュージシャン、選挙を目前にした保守派の候補者を母親に持つ青年、決して堅気の商売ではないけれど、盲目の妹を支え、やさしい心を持つ青年の3人の対象者の物語がオムニバス形式で展開していき、藤本ははその3人と、遺族となる家族の人生に関わっていきます。

しかし、「逝紙配達人」には遺族や対象者の人生に過度に関わってはいけないという職務上の決めごとがありました。

やがて、仕事に誇りを持っていた藤本も、この国家が課す法律システムに疑問を持つようになり・・

果たして、生命の尊さとは、強制的に学ばされるものなのか?

それには有限の時間を決められなければいけないのか?

そんなことを、神でもない人間が施行していいものなのか?

といったお話ですね。

 ◆◆

なんとも驚愕のストーリーです。
この設定は、間違えなくアイデアの勝利だと思います。

物語は上にも書いた通り、3人の対象者と遺族のお話がオムニバス形式で展開します。
その内、ミュージシャンと盲目の少女の兄は、死を目前に、生きることの意味や悔いのない人生を学び、国家が仕向けた法律を結果的に美化してしまうエピソードになっていました。

それとは逆に、政治家の息子は破滅の道を歩みます。

結果2対1とでもいいましょうか?

破滅した息子の母親はかつては思想犯であり、また劇団ひとりが演じた人物も思想犯の恐れありと、国家に強制的に洗脳されていきます。

ですが、上記のように国家に無理やり押し付けられはしたけれど、結果的に短い人生を美しく全うすることができた2人のケースは、この映画自体がリアルな人生を送る僕達に向けての逆の意味での思想犯ともとれてしまい、ある意味、本作は非常に危険な映画と言えるのではないでしょうか?

この法制度に対しての疑問も提示してはいますが、それはフォローアップにはあまりにも不十分過ぎでした。

こんなあってはいけないことを美化してしまうことの危険さはちゃんと認識して観なければいけない映画ですし、日々を懸命に生きるための自己鍛錬や心の豊かさを学ぶにはもっと別の本来あるべき正しい道を見失ってはいけませんが、かつては豊かで平和ボケしているとも言われた日本も、今はかつてないほどの経済的危機的状況を抜け出せないでいます。

そんな今、この映画で洗脳されてしまうことは断じてあってはなりませんが、自分は後悔のない人生を送れているか、セルフチェックを促す機会を得るために本作を観ることは、必要なことなのかもしれません。


posted by solata at 22:31| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月06日

ウォンテッド

僕が2009年89本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ウォンテッド」です。

主人公ウェスリーは生きる意欲すら見いだせないしがない顧客管理担当。
パニック障害を患い、薬を手放せません。

ある日、そんなウェスリーを薬局で謎の美女フォックスと謎の暗殺者クロスが狙います。

訳も分からず銃弾戦に巻き込まれるウェスリー。

ウェスリーはフォックスに暗殺組織「フラタニティ」に連れていかれ、暗殺者クロスに自分の父親が殺されたこと、そして父親の意志を継ぐのは、凄腕の殺し屋の遺伝子を持つウェスリーだと吹き込まれますが、これまで他人を殴ったり、不満を爆発させたことすらない自分が暗殺者になるなんてことは、到底受け入れられません。

一旦は日常生活に戻るウェスリーでしたが、いつものように嫌みな上司からいびられ、ついに不満を爆発させてしまいます。

こうして「フラタニティ」に戻り、地獄の訓練が始まります。

日々の訓練で、毎度毎度瀕死の重傷を負わされながらも、確実に成長していくウェスリー。
ついには、実際の暗殺の仕事もこなせるようになっていきます。

そんな中、やがて、暗殺者クロスとの対決の時がウェスリーに迫ります。
と同時に、新たな暗殺のターゲットを指示されるフォックス。

陰謀が渦巻く中、2人はロシアに向かいます。

果たしてウェスリーの運命は?

暗殺者クロスの正体は?

「フラタニティ」の真実は?

といった映画ですね。

 ◆◆

この映画、観る前はアンジェリーナ・ジョリーが主演なんだと思ってたんですが、違うんですね。

宣伝の仕方といい、DVDのパッケージといい、アンジーにあやかろうとしすぎですね。
そんなにアンジー頼みにしなくても、本作はそこそこ楽しめる映画なのに、なんというか、これじゃ人によっては、「詐欺じゃん」と思う人も居ると思いますよ。

で、物語はこの手の映画にありがちな稚拙なものですね。

銃弾が意志の力でぐんぐん変化して飛ぶし、どんな重傷を負っても2〜3時間で回復するという風呂があったりとか、超能力者同士の戦いや「マトリックス」のような電脳空間の戦いでもない、リアルな世界でのリアルな人間同士の戦いなのに、その設定といったら全くありえない強引さです。(笑)

にも関わらず、激しくけがを負いながらもそのアクションシーンは終始スタイリッシュ。何も考えずにアクション映画を観てスカっとするための、お手本のような映画です。

物語上のキーは「無欲」、「覚醒」、「父子愛」、「策略」、「裏切り」、「復讐」となると思いますが、例えば同じテーマで香港ノワールが映画を撮ったら、それはそれで上質なアクション映画に仕上げてくれると思いますが、世界観はもっとドロドロしていたり、救いようのない苦しみや痛みを伴った映画になっていたと思います。
(まぁ僕的には、そちらの方が映画として評価しますが・・)

対して本作はハリウッド映画です。

泥臭さも重いドラマも全てスタイリッシュの邪魔になる。邪魔になるくらいならそんなことは全て無視してしまえってノリですね。

ただこれは、計算ではなくて、単純にハリウッド特有の稚拙な結果なんでしょうね。
でも、そのことが作品全体を泥臭くなくスタイリッシュに仕上げる好結果を生みだしていると思います。

ここのところアンジーは重い映画が多かったので、たまには羽目を外したかったんでしょうね。

まぁこの手の映画なんで、何も考えずに楽しみましょう!

これぞハリウッド!

アリですよ!アリ!!(笑)
posted by solata at 00:25| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月04日

その日のまえに

僕が2009年88本目に観た映画は、WOWOWで録画した「その日のまえに」です。

健太ととし子は2人の子供にも恵まれ、誰が見ても幸せいっぱいな家族。
そんなとし子が、突然余命1年の宣告を受けてしまいます。
戸惑う2人。とし子は体が震えてしまいますが、そんなとし子の手を握ってあげることもできない健太。

健太は自分がとし子や身の回りのいろんなことを大事にしてこなかったから、罰が当たったんだと悔やみますが、とし子は健太や子供たちの前では「その日」まで明るく前向きに生きることを決意し、自分が居なくなった後のことまで気配りをして、涙は自分一人の中にしまっておこうとします。

そんなある日、とし子は半ば強引に病院から一時帰宅が許され、かつて健太と共に結婚してスタートさせた場所からもう一度気持ちをリセットして、残り少ない日々を懸命に生きていくために、健太と2人、思い出の場所を訪れます。

それには、かつての思い出やその場所で今を生きる人々の優しさにふれながら、翌日から始まるもっと辛い治療に立ち向かうための決意を得るための意味もありました。

こうして「その日」までを懸命に生きる日々が始まりますが、予定されていた新しい治療を始められないほど、とし子の様態は悪化しており、絶望に襲われる健太。

ですが、とし子はもっと絶望に襲われているはず。なのに笑顔です。

2人の子供は、「その日」が来るまでは、とし子が酷い姿を見せたくないとの一存から、面会すらかないません。
きっと元気になると信じてやまない弟に対し、気持ちのどこかで現実をすでに理解してしまっている兄。

そんなある日、ついに「その日」がやってきて・・

健太は2人の子供たちと共に、朝から病院に向かいます。

果たして、とし子は、残される家族や周りの人たちになにを残そうとしてくれるのか・・

とし子の旅立ち・・残される健太や子供たちの新たな旅立ちとは・・

といったお話ですね。

 ◆◆

とても素敵で、温かい映画でした。

家族の死というとても悲しいお話のはずなのに、鑑賞中も鑑賞後も、涙が流れることはありません。
ですがこれは、脚本が悪いとかそういうことではなくて、作品全体が本当に温かくて、優しさに満ちているからなんです。
観終わってから、涙どころか、自然と優しい笑顔を浮かべている自分に気づいたほどです。

何気ない一コマまで拘った温かい風景、そしてそこに登場するすべての人が、人それぞれに問題を抱えているにも関わらず優しくて温かい。

そんな周りのすべてに生かされ、感謝と共に、逆に主人公たちからも生きる活力を与えてあげる・・

そんなある種、仏教の「色即是空」とも言える素敵な世界観を見せてくれた映画でした。

「笑っても、泣いても、みんな生きてるってことだよね。みんな生きよ!」というとし子のセリフ、シンプルではありますが、ストレートに心に響いてきます。

作品全体を彩る色調は、本作のようなノスタルジックな映画には一見すると淡い色が似合いそうですが、敢えて原色系を多用して、独特の世界観を醸し出していました。

これは、「みんな生きよ!」というとし子の強い気持ちを現すアクセントなんだと思いました。
物語に似合わないきつめの色、その違和感までもが、作品の重要なメッセージの一部なんですね。

ですが一言だけ・・

「クラムボンの歌」が作品全体を通したアクセントとして使わされていますが、ちょっとしつこく使いすぎで、「あぁまたか・・」って思ってしまい、本来重要なアクセントなのに、逆に鑑賞中にその世界観から引いてしまう要因を作ってしまっているように感じてしまったのは、ちょっと残念でした。

そんな残念なこともありましたが、ちょっと元気を失っている時、何気ない日々の幸せに気づいた時、人に優しくできる自分に気づいた時、また明日から頑張ろうと思えた時・・そんな時にちょっと時間を作って本作を観ると、心の充電と新たな活力がもらえる、そんな素敵な映画だと思います。


posted by solata at 00:22| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月01日

アロンソ、フェラーリ加入発表!!

今週末のF1日本GPを控えて、今日、F1界でビッグニュースが走りましたね!
かねてからずぅーっと噂にはなっていましたが、遂にアロンソがライコネンに替わって、2010年から跳ね馬ドライバーになるそうです。
最近のルノーのごたごたも、移籍発表を加速させたかもしれませんね。

僕は正直なところ、ライコネンの方が好きなので、心境複雑ではあります。
#キミって、今のF1界にあって、数少ないファイターだと思うんですけどね。

ですが、かつてシューマッハが加入してフェラーリが再び復活を遂げたように、アロンソにもある意味、相手から憎たらしいと思われるくらい貫録の走りを見せてほしいです!

アロンソは実績十分ですが、跳ね馬ドライバーはまた別物!
フェラーリファンとして、跳ね馬ドライバーとして認められるか、来シーズンからの戦いっぷりをしっかり見守らせてもらいます。
posted by solata at 13:12| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月30日

ICHI

僕が2009年87本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ICHI」です。

辛い過去を持ち、人間に絶望しながらも、かつて自分に剣術を教えてくれた父親に再会するために、三味線と共に旅を続ける主人公・市。
ある時「万鬼党」のチンピラに絡まれたときに、浪人・十馬と出会います。

十馬は市を助けようとしますが、手が震えて剣が抜けません。結局、チンピラを切り捨てる市。

その後立ち寄る宿屋の賭場でも同じようなことが起こり、宿屋を取り仕切る「白河組」の二代目から勘違いされて、用心棒として雇われてしまう十馬。

しかし十馬にも辛い過去があって、木刀であれば達人であると同時に、真剣が抜けない理由が市に語られます。

そんなある日の催事で、二代目を排除しようと「万鬼党」は画策しますが、何もできない十馬に対して、助っ人に入る市。

「万鬼党」の頭に父親の行方を聞くために、アジトに乗り込みますが、そこで返り討ちにあい、瀕死の重傷を負ってしまいます。

そんな市に、「万鬼党」の頭から父親のことが語られ、既に亡くなっていることが聞かされてしまいます。

身も心も、生きていく意味を見失ってしまう市。

そんな市を助け出し、「とにかく生きろ」と励ます十馬。

そして、「白河組」と「万鬼党」の決着の時が迫り、市の療養中に、十馬も対決の場に向かいます。

果たして十馬は、剣を抜くことができるのか?

市は再び希望を持つことができるのか?

十馬は市に・・何を残すのか?

といったお話ですね。

 ◆◆

はい・・本作は、綾瀬はるか版・座頭市ですね。
この映画、すごく良かったです。

アウトローのヒロイン・市がいつでも化粧をしているとか、肌がすべすべで綺麗なのは、設定上おかしいみたいな、安直なツッコミはしてはいけません。
なにしろ、本作はエンターテインメント映画なんですから。そこのところ、勘違いしちゃいけません。(笑)

物語もとてもよく練られていたと思います。
市の辛い過去・現在・絶望が痛ましいほどよく描かれており、そこからの再生・希望・新たな人生の旅立ちまで繋いでいくストーリーは、分厚くて見事なくらい、一人の女性の成長物語として成り立っていました。

あくまでベースは座頭市ですが、アウトローなヒロインの青春映画という側面が本作の本質であり、そこに切ない悲恋の要素まで織り込まれており、深い感動も味わえる第一級のエンターテインメント作品に仕上がっていると思います。

「一度落ちた人間は、二度と真っ当な生き方はできない」と絶望を科そうとする「万鬼党」に飲み込まれてしまう市に対して、命を賭して人を信じること、生きることの重要性を伝える十馬。
そんな十馬を演じる大沢たかおの演技もさすがです。

ラスト近く・・

「境が見えてきた気がする」
「おねえちゃんにも、歩くときは明かりが必要だったみたい」

と言うことができるようになる市。
悲恋に涙しながらも、かすかな笑顔と共に旅立っていく市。

市のこれからの人生が明るくて前向きな人生であるように、大きな声で応援したくなるような、そんな素敵なラストを見せてくれました。

純粋に綾瀬はるか狙いで観るのもアリですが(笑)、第一級エンターテインメント映画として、本作は間違いなく見応えのある映画だと思います。


posted by solata at 13:46| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月29日

1408号室

僕が2009年86本目に観た映画は、WOWOWで録画した「1408号室」です。

ホラー作家の主人公は、ネタの仕込みのために、口コミによるミステリースポットの取材も定期的に行っています。

そんなある日、「ニューヨークのドルフィンホテルの1408号室には入ってはいけない」というネタを仕入れ、早速取材に向かいます。

ホテルに着くと、電話口で予約を入れたときと同様、頑なに1408号室の宿泊を拒否されます。

一歩も引かない主人公。ホテルの支配人と話し合いになりますが、そこで1408号室では56人の宿泊客が入室後、1時間以内に異常な死に方をしていると聞かされます。

支配人の話っぷりや死亡事故の資料から、少し信じ始める主人公でしたが、それでも取材は仕事の内、忠告を無視し、1408号室に入室します。

部屋に入るとそこは至って普通のホテルの一室に見え、一瞬信じかけていた自分がばからしくなりかけましたが、すぐに部屋の異変が始まり・・

さぁここからチェックアウト不能の、死へのカウントダウンが始まります。

果たして主人公の運命は?

一時間後に何が起こるのか?

と、ラストまで一気に理解不能の狂気ワールドが展開するお話ですね。

 ◆◆

さて、本作は、スティーヴン・キング原作、そして僕の好きな俳優の一人である演技派のジョン・キューザック主演とくれば、否が応にも期待度MAXです。

そんな期待感を持ってみましたが、抜群の舞台設定や雰囲気たっぷりの映像、小物の一つ一つに至るまで、見事な拘りを持った仕上がりだったと思います。

そして、映像とリンクする神経を逆なでするような音楽や効果音も素晴らしく、決して怖い内容ではないですけれど、心がざわつくというか、気が狂いそうになるノンストップな狂気ワールドは、スティーヴン・キングの世界観を見事なまでに映像化していたと思います。

そんな世界観をバックに、ほぼ1人芝居で見せるジョン・キューザックの演技も期待通りです。
また、アクセント的に出演しているサミュエル・L・ジャクソンもいい味だしています。

こういった映画は、映像以上に俳優の人選が作品の出来を左右しますので、キャスティング面でも完璧でしたね。

ところで本作は、日本ではイマイチ受け入れられていませんよね。
このような映画は、何を期待して観るかによって、評価が左右されてしまうことも事実ですね。
特に、スティーヴン・キングだからホラーを期待とか、ジャパンホラーに目の肥えた人たちが同様の恐怖を期待すると、ある意味テーマパークのアトラクションのようにドタバタする本作は、「なんだこれ?」ってことになると思います。

本作はあくまでホラーではなくてスリラー、そして神経を逆なでするために細部にまで拘った映像を楽しみながら、その場に自分も意識下で参加させてみて、気が狂いそうになる追体験を求めるつもりで観ないと、正当な評価ができないと思います。

だから、盛り上がりに欠けるとか、はちゃめちゃな展開だとか、オチがないとか、そんなことは本作の命題からすると関係ないんですね。

単純に気が狂いそうになれたかが勝負で、そういった意味で、本作はよくわきまえた映画だと思います。
posted by solata at 09:16| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月28日

山のあなた 徳市の恋

僕が2009年85本目に観た映画は、WOWOWで録画した「山のあなた 徳市の恋」です。

季節の移ろいと共に温泉場を移動して、あんまを生業とする盲目の主人公・徳市。
毎年、緑が息吹く季節にやってくる山奥の温泉場で、東京からやって来た女性に出会います。

女性にあんまをしてあげる徳市。目は見えないけれど心は読みとってしまうほど勘が鋭く、女性が何かに怯えている様子を読みとってしまいます。

そんな謎めいた女性が気になり、淡い恋心を抱く徳市。

そんな時、温泉場で立て続けに盗難事件が起こり、徳市はその女性の仕業と察知しますが、あえて何も言いません。

そんな優しさに満ちた徳市は、ある意味徳を備えた人物で、誰彼違わず、純真な心と優しさを持って接し、自分のことを「すごいんだよ!」と臆面なく言うことができます。

そうこうする内、盗難事件の犯人を挙げようと、ついに警察が動き出し、それを聞いた徳市は女性を守ろうと・・

といったお話ですね。

 ◆◆

雄大な自然に見る日本の美しさ、そして静かに、また情感たっぷりに奏でる美しい音楽・・まるで環境ビデオを見ているかのような錯覚に捉われる映画です。

以上!!

えっ?簡単すぎますか?(笑)

ですが、本作の見所って、それだけなんですよ。

確かに徳市には、人としてもっとも磨かなければいけない徳が備わっていることは、その脚本や草なぎ剛くんの演技から十分伝わってきます。

しかしながら、物語があまりにもとるに足らない日常の一コマを切り取りすぎているので、わざわざ映画(ドラマだったとしても同じ)にする程の脚本では到底ないと思えてしまいます。

古き良き昭和の時代の雰囲気は、良くでているとは思います。
ですが、その映像やセットに甘えっぱなしと思える脚本は、ちっとも「淡い恋」に期待する切なさを描き切れていません。

多分、深いドラマやもっと情感に訴えてくる話を期待して観てしまったからガッカリさせられてしまったんだと思います。

上にも書きましたが、「環境ビデオ」と見れば・・癒し効果抜群の映像だと思います。

加えて、ちょっとばかりの可愛らしさもありますので、観ていて自然と優しい気持ちになってくるということはあると思います。
posted by solata at 00:16| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月26日

ハンサム★スーツ

僕が2009年84本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ハンサム★スーツ」です。

ブサイクな主人公琢郎は、夢半ばにして母親の遺した定食屋を継ぎ、味も価格も、母親の代のものを頑なに守り、気の知れた友人やお客さん達と、ささやかな幸せを感じる毎日を送っています。

そんなある日、定食屋に美しい女の子・寛子がバイトの応募にやってきます。寛子は琢郎のくしゃみによる大量の唾を顔面に受けてもイヤな顔一つしない女の子。
琢郎はそんな寛子を一目で気に入り、バイトとして雇い入れます。

ほどなくして、琢郎は寛子に一目惚れ。友人からそそのかされて告白するも、外見ばかりを褒める琢郎に寛子は幻滅し、あっさりと振られてしまいます。

落ち込む琢郎。そんな時、怪しいスーツ屋に連れていかれ、着るだけでハンサムになれるスーツを手に入れます。

こうしてスーツを着ているときは杏仁となり、超売れっ子のモデル生活との二足の草鞋生活が始まります。

同じ頃、バイトをやめてしまった寛子に変わって、容姿の悪い子がバイトに応募してきます。

新しいバイトの子と居るときはなんでも話せ、また笑顔で居られる琢郎。琢郎は小さな幸せをかみしめます。

一方、スーツを着ての生活も続けていきますが、あっと言う間に手に入れた幸せは所詮偽物、自分にとっての本当の幸せはなんなのかと、思い悩み始めます。

そんな時、新しいスーツが手に入りますが、これを着ると二度と脱ぐことができないと知らされ・・

果たして、琢郎は自分を捨てて、新しい人間になって、大きな幸せを追い求めるのか?

それとも本来の居場所に戻り、小さな幸せを求めるのか?

そもそも、幸せの大きさ・小ささって、そういうことではないのではないか?

そして、外見ではなくて中身を見てほしいと訴えた寛子との恋の行方は?

といったお話ですね。

 ◆◆

まずは率直な感想ですが、わざわざ映画にする程の脚本ではないですね。

それから、「洋服の青山」とか「TOKYO GIRLS COLLECTION」の扱い方が、映画のスポンサーに留まらず、不自然なくらいクローズアップされて描かれるので、まるで映画を観ながら、民放テレビを見ている感覚というか、たちの悪い広告をずぅーっと見させられている感じがして、引いてしまいました。

また、良くも悪くも、ハリウッド映画に多くの影響を受けているようで、ハリウッドにありがちな青春ものとかを彷彿とさせる展開だったり、安っぽくて安易なハッピーエンドだったり・・至って作品全体が安易に作られてしまった感があります。

ですが、本作は実は深い問題を扱っており、オリジナリティーあふれる映像や脚本を努力し、日本映画のプライドを持って製作をしていれば、きっともっと違った、ハートフルな映画を作れたんじゃないかと思います。

てことで、僕的にはちょっと期待ハズレでしたが、作品の後味は決して悪くないし、それなりには楽しめるので、まぁたまにはこういう映画も良いです。
posted by solata at 01:23| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月23日

カンフー・パンダ

僕が2009年83本目に観た映画は、WOWOWで録画した「カンフー・パンダ」です。

舞台は中国のとある地方、「平和の谷」で、ぐうたらで食いしん坊な主人公ポーは、夢の中で自身をカンフーの達人「マスターファイブ」と重ねることを唯一の楽しみとしています。

ある日、「龍の戦士」が選ばれるという噂を聞き、ポーはその勇姿を一目見ようと向かったところ、偶然にも自分が「龍の戦士」として選ばれてしまいます。

「龍の戦士」には、「龍の戦士」だけが持つことを許される龍の巻物を賜ることで、最強の戦士となる伝説がありました。

そんな時、凶悪なカンフーの達人タイ・ランが辺境の刑務所を脱獄、龍の巻物を狙い、また復讐をするために、「平和の谷」に迫りくる事件が起こります。

ポーが「龍の戦士」ということを信じたくもないし受け入れたくもないシーフー老師と「マスターファイブ」は、選出は偶然の事故と直訴しますが、逆に出来事に偶然はない、「龍の戦士」と育てられるかは、どこまでポーを信じることができるかだと窘められてしまいます。

腹をくくるシーフー老師は、やがてポーの長所に気づき、ポーにしかできない方法で鍛え上げていきます。

一方、「マスターファイブ」は、タイ・ランをくい止めようと、戦いの場に向かいますが、そこで返り討ちにあって・・

いやがおうにも、「平和の谷」の命運はポーの手に委ねられていきます。

果たしてポーは、最強の戦士となり、「平和の谷」を守ることができるのか?
タイ・ランの過去と、シーフー老師との因縁は?
そして、龍の巻物の秘密は?

といったお話ですね。

 ◆◆

さて、本作は、あのドリームワークスによるCGアクション映画です。
超美麗で、なおかつスピード感満点のCGは大いに見応えがあります。

特に本物志向のスピード感は、アクション映画のお手本とも言うべき出来で、この点はピクサーも及ばない技術力を示してくれた気がします。

そして、メインテーマは、「信じることができれば奇跡は起きる」ですね。
自己啓発書のたぐいでも、よく言われる言葉で、本作もこのテーマを(好意的に解釈すれば)限りなくシンプルに描いてみせています。

ですが、本作の見所はそれだけで、あまりにひねりのない単純にして一直線な物語は、笑いなし、感動なし、夢もありきたりのないないづくしで、観ているコチラが困ってしまうシロモノでした。

デブ・パンダがカンフーという引きの強いキャラクターを考え出したということで、掴みはおっけーだったんですが、いかんせん、肝心な物語がついてこれない印象です。

物語に厚みを持たせることができないなら、いっそのこともっとはじけてしまうとか、ハートフルな要素を増やすとかして欲しいところなんですが、残念です。

やはり、こういった映画を作らせると、ドリームワークスとピクサーの間には、決して埋まることのない実力の差があるように思います。

多分、ドリームワークスって、こういった映画を作るには、頭が大人になり過ぎていて、無理があるんじゃないかと思うんです。
対して、ピクサーの人達は、いつまでも少年少女のマインドを色濃く残しているクリエイターが多く、その差が作品の差となって現れてしまうんだと思います。

てことで、僕的には「シュレック」同様、ガッカリさせられた映画でしたが、上にも書きましたが、CGを見るだけでも確かに価値がある映画であることは間違いないと思います。
posted by solata at 00:10| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月19日

ソウ5

僕が2009年82本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ソウ5」です。

ジグソウや第一の後継者亡き後、FBI操作官ストラムは、ジグソウ捜査中にゲームに填められてしまいますが、そこから、重傷を負いながらも奇跡的に生還を果たします。

このことからジグソウには第二の後継者が居ることが判明し、ストラムは、同じくジグソウのゲームから無傷で生還したホフマン刑事を疑い始め、単独操作を続けていきます。

そんな中、第二の後継者により、新たに一般人5人を対象にした究極の更生ゲームが仕掛けられていきます。

一見何の関係もないように見えた5人はより高次元で繋がっていると聞かされ、今までの価値観とは違う方法で、5人が協力して生き残って欲しいというのが、このゲームに課せられたルールでした。

果たして、この5人は生き残ることができるのか?
第二の後継者に秘められた謎とは? ジグソウとの関係は?
ストラム操作官の命運は?
そして、ジグソウが元妻ジルに残した遺品の中身とは?

といったお話ですね。

 ◆◆

このシリーズ、個人的に1・2の素晴らしさですっかりはまったのですが、3でただのグロ映画に成り下がってしまい、ソウも終わりかなぁ〜ってガッカリしていたところへ、4で復活の兆しを見せてくれたので、そういった意味で今回の5はそこそこ期待感を持って観たのですが・・

う〜ん・・まず本シリーズの副次的な売りであるグロさについてはほとんどないですね。
たいした残虐シーンもなく、視覚効果や音響効果で恐怖を感じることは殆どなかったです。

では本シリーズ本来の売りである、人間の闇を暴き、痛みを伴いつつも更生させていく極限状況での試練や、二転三転する絶妙で奥深い人間ドラマとしてはどうかというと、こちらも物足りないですね。

意外性が皆無な物語は、本シリーズに期待する先の読めないワクワク感を味わうことができず、またテンポの悪い展開と相まって、「まぁそんなところだろうねぇ。冒頭から想定できた通りの話で終わってしまった」って感じです。

それなのにですよ・・

本作ですべての謎が明らかになるわけじゃなく、第二の後継者の役回りと、ジグソウが元妻に残した遺品等により、本シリーズはまだまだ終わらず長期化の様相を呈してきたことに、大丈夫なんだろうかって、この先が思いやられる感じを受けました。

もう少し正確に言えば、4までに積み残した謎をある程度回答編として提示して、第二の後継者の正式な誕生編と、更なる謎を盛り込むことで、いわゆる「ソウ セカンドシーズン」の幕開けともいえるブリッジ的な役割を果たす作品でした。

ただ、5のクオリテイのままだらだらとシリーズを続けていくんだったら、シリーズ本来の存在価値を失う結果になってしまうと思います。

製作陣はそこのところをよく考えて、ソウに見合った絶妙な奥深い脚本ができるまでは、むやみに続編を製作して欲しくないと思いました。

とはいっても、「ソウ6」はもうすぐ公開、「ソウ7」も来年初頭から製作開始予定なんですよねぇ。

こんな矢継ぎ早の予定では、しばらくはだらだらと続いていくのかなぁ・・orz

それでも、1から延々続いているお話なので、今更やめられないというのも正直なところです。

つーことで、早く「ソウ6」も観たいし・・って、僕も製作陣の思う壺なんですね。
posted by solata at 22:08| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月14日

ミラクル7号

僕が2009年81本目に観た映画は、WOWOWで録画した「ミラクル7号」です。

貧しい父子2人だけの家族。主人公の父親は無学なため、工事現場で肉体労働をしていますが、息子にはそんな思いをさせたくないと思っており、無理をしてまで私立の小学校に通わせています。

息子は貧しさ故に学校でいじめられたりしていますが、父親の「どんなに貧しくても、ウソはつかない。喧嘩はしない。よく勉強して、人のために役立つ人間になりなさい」との崇高な教えの元、2人は仲良く日々を送っています。

父親は息子や家庭のための生活必需品をゴミ捨て場から拾ってくるのが日課です。

ある日、ゴミ捨て場から緑色のボールを持ち帰ってきて、息子に与えますが、なんとボールから謎の生き物が生まれてきます。

その生き物は、息子になつき、息子も「ミラクル7号:通称ナナちゃん」と名付けて飼い始めます。

息子はナナちゃんにスーパーパワーを期待しますが、どうもそんな力を持っているようではないらしいと思い込み、ガッカリしてしまいます。

ところがナナちゃんには、実は隠されたスーパーパワーがあり、パワーを使うには自身の命をすり減らす必要がありました。

さて、そんなナナちゃんの存在により、自分をいじめてくるクラスメート達とも心が通じるようになり、にわかに学校での生活も明るいものになっていきます。

そんなある日、学校のテストの点数を不正したことが父親にばれて、親子は互いを罵りあう喧嘩をしてしまいます。

父親は息子からナナちゃんを取り上げて、喧嘩別れの後、仕事場へ向かいますが、そこで・・

さて、ナナちゃんは身をすり減らしてまで、この貧しい親子に何を贈り、何を伝えようとしてくれるのか・・

・・といったお話ですね。

 ◆◆

この映画、すごく面白かったです。
さすが、チャウ・シンチー。期待通りに大いに笑わせてくれます。
そして、それだけに留まらず、とてもハートフルで、予想外に・・息子と2人で泣かされてしまいました。

そんな、おなじみチャウ・シンチーの監督・製作・脚本・主演による映画ですね。

今回のジャンルはチャウ・シンチーからは予想していなかったSFということになりそうですが、この人の作品はいつも、ジャンルを越えた温かさ・心に染みる切なさといったものが見事に脚本に織り込まれていますね。

本作はそのハートフルな一面にさらに磨きが掛かって、まるで「文部省推薦図書」にもなりそうな良くできた脚本になっていました。

貧困層の社会的問題をベースに、その上に家族愛、友情、犠牲の精神、人としての正しい道といった具材を乗せ、ちょっとばかりファンタジーなスパイスを加味したような本作は、是非子供と一緒に観てほしいです。

そして、子供と一緒に大いに笑い、笑いの後に泣いてしまう・・脳にとって重要な感動体験を是非一緒にしてみてください。

そんな情操教育にも向いている、ほんとに宝石のような素敵な映画だと思います。


posted by solata at 23:26| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月13日

イースタン・プロミス

僕が2009年80本目に観た映画は、WOWOWで録画した「イースタン・プロミス」です。

ある日、ドラッグストアに様子のおかしい少女が迷い込んできます。少女は店主に助けを求めますが、そこで出血して、病院に運ばれます。
少女は妊娠していて、赤子を助けることはできたものの、母胎である少女は還らぬ人となってしまいます。

少女はロシア系で、遺品から日記が見つかり、担当した助産婦は日記を持ち帰り、少女と赤子の身元を割り出そうと、ロシア系のマフィアのボスに、翻訳を依頼することになります。

と同時に、助産婦にはやはりロシア系の叔父がおり、こちらでも翻訳を進めてもらうことにします。

日記にはマフィアのボスの足下をすくいかねない恐ろしい事実が書かれており、マフィア側は日記を手に入れようと画策します。

一方、叔父の翻訳から内容を把握した助産婦も、赤子をしかるべき場所で育ててもらう為に、また、少女の身に起こった痛ましい事実が闇に葬り去られないようにするために、マフィアと渡り合っていきます。

そんな中、マフィアの運転手である主人公が、闇の仕事をしながらも、なぜか助産婦一家を助ける行動に出てきます。

果たして、この主人公の本来の目的は? 赤子の運命は? やがて助産婦が下す結論は? といったお話ですね。

 ◆◆

さて、本作の監督は、あのデヴィッド・クローネンバーグです。
この人といえば、「スキャナーズ」や「ヴィデオドローム」とか僕は好きですが、確かに当時からカルト的作品を撮ってましたが、本作のような大人の映画を撮る印象を持っていなかったので、かなりビックリしました。

それくらい、本作は本格的であり、ロンドン特有の薄暗さと雨、建築美を背景に、細部にまで拘ったその映像美と音楽、役者の演技の完璧さと相まって、大人のための硬派な映画に仕上がっていました。

主演のヴィゴ・モーテンセン、ハマリ役ですね。渋すぎます。
何よりその声だけで、観る者を殺してくれる魅力を見せてくれますが、台詞がないときの佇まいや表情、目力だけで魅せる演技が、本作を成功へと導いている最高の要因であることは疑いようがありません。

ジェイソン・ステイサムに通じる知的魅力と渋さ、そしてなにより共通しているのは声に色気があることですね。
この2人は、今後もこういったカルト的作品で異彩を放ってくれそうで注目していきたいです。

秋の夜長に、ちょっと知的な大人の映画でも・・そんな時に本作は心地よいほどフィットしてくれる映画だと思いますよ。


posted by solata at 22:22| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月09日

日本対ガーナ 国際親善試合

いやぁ〜、勝ちましたねぇ!!日本♪

ガーナ選手の足が先に止まったということも確かにありますが、奪った4点すべてが流れの中から取れたことと、交代選手が機能したということが大きな収穫ですね。

俊輔に代えて本田投入という、火種を残した両雄並び立たずといった問題は残ったままですが・・。

ビジネスの世界でも言いますが、「根拠のない自信を持つことは大事」という言葉があります。
とかく頭でっかちになりやすい日本人ですから、いつものように修正すべき点を分析するばかりでなく、素直に今日の試合の結果には大いに胸を張って良いと思います。
posted by solata at 21:46| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。