さて、本作は革命家チェ・ゲバラの人生を描いた2部作の1作目ですね。
この映画、映画やドラマらしい演出を、極力抑えています。
そのため、観ていてハラハラドキドキしたり、チェの熱い生きざまに熱い感動を覚えたりといったことは、多分ありません。
言いかえれば、中立な立場を保った、無機質なニュース映像をずうっと観ている感じです。
なので、僕のように、チェのことは殆ど知らないので、とっかかりとして観てみようと思っている人にしか、この映画は最後まで観れないと思います。
多分、映画らしくないので、そうでない人は途中で飽きてしまうでしょう。
果たして本作で描かれたチェは、史実にどれくらい沿っているのかは存じ上げませんが、もしこの映画の通りであれば、チェはカストロから帝王学を学び、成長していったんだなぁと思いました。
ビジネス書の類で自己啓発されている方には、チェの言動は王道中の王道で、リーダーとはかくあるべきのお手本のような人ですね。
ですが、そんなチェの欠点といえば、やはり自ら前に出過ぎる(前線に身を置いていたい)というとことでしょうね。劇中、カストロも、その点をチェに諭すシーンがあります。
ただこの欠点は、武力に頼るような革命に於いては、人の心にダイレクトに響いてくるし、後世に偶像化されやすいことも事実ですね。
果たして、そういったTPOを理解し、全て計算した上での言動であったのであれば、チェはそれこそドエライ人だと思います。
いずれにしても、チェにとってはキューバは他国ですから、人のためにこれ程までに情熱を燃やし、そして散っていった(2作目はここを描いているんですよね?)人生は、革命の是非は置いておきますが、学ぶべき点が多々あるように思いました。
以上、あまりにも映画らしくなかったので、感想も映画の感想じゃない感じになりましたが、2作目も近いうちに観るつもりです。