2009年11月17日

最後の初恋

僕が2009年98本目に観た映画は、WOWOWで録画した「最後の初恋」です。

かつては芸術家になることが夢だったエイドリアン。彼女は幸せな結婚をして子供にも恵まれたはずでしたが、いつしか夫に裏切られ、子供とも確執をかかえながら日々を送っています。

ある週末、子供たちが、出て行った夫と過ごすことになり、その間、親友が留守にする海辺の小さなホテルを手伝うことになります。

時節はオフシーズン。普通なら客が訪れる時期ではないのですが、そこになにやら問題を抱えたポールが客としてやってきます。

こうして5日間、海辺のホテルで2人で過ごすことになるポールとエイドリアン。

ポールは元々優秀な外科医であったのですが、自分が執刀して死なせてしまった女性の家族に会いにくるという目的がありました。

その家族に会うポールと、話を聴いてしまうエイドリアン。
そこで、エイドリアンは、人の気持ちを分かってないとポールを責めてしまいます。

そして、自分を見つめ直すことになるポール。
ポールもまた、日々の役割を盾に、人生を諦めてしまっているエイドリアンに語りかけます。

こうして本音でぶつかり合う内に、互いに共感を覚えていく2人。

時を同じく海辺の街を嵐が襲い、2人の距離は急速に近づいて行きます。

嵐が去り、互いが人として成長し、ポールは確執している息子の元へ向かいます。

一方、家に戻りたいという夫と別れる決意をするエイドリアン。

離ればなれになる2人ですが、2人の間に芽生えた絆は固く、2人はそれぞれの場所で輝きを取り戻していきます。

そんなある日・・

果たして、2人が選択するこれからの人生は?
家族とは?
子供たちは?

といったお話ですね。

 ◆◆

この映画、素晴らしかったです。

時に幻想的に、時におもちゃ箱をひっくり返したような可愛らしい色彩美の映像に、控えめで素敵な音楽が被さり、こんな美しい映像をバックにリチャード・ギアとダイアン・レインが出てくれば、そこに佇んでくれるだけで、完璧なショットが出来てしまいますね。

そして、素晴らしいのは映像美だけでなく、わずか97分という尺の中に、親子の確執、夫婦の問題、人間らしさ、大人としての心の成長、子供にとっての大人への成長、互いを受け入れてより固くなる絆、儚くも永遠に生き続ける愛など、見事な程コンパクトに脚本に盛り込んでいると思います。

人はそれぞれの人生の中で様々な役割を日々演じています。それはとても重要なことですが、時にそれを言い訳に、自分に妥協を許してしまったり、自分の心が壊れないように殻に閉じこもったりしてしまいます。

本作のリチャード・ギアは、そんな人達に向けて、「自分の可能性を諦めないで。幾つになっても遅すぎることはない」と語りかけてくれます。

ありきたりな言葉ではありますが、この言葉は常に心に留めておきたい言葉ですし、繰り返し意識したい言葉ですよね。

リアルの世界はそんなに単純じゃないとか、こんな世相でもっと考慮すべきことがあるだろうとかいくらでも言うことは出来ますが、時にはこのような映画で心の洗濯をして、ゆっくりと自分自身を見つめ直してみる時間を持つことも必要なことなのではと思います。

ところで、リチャード・ギアやダイアン・レインの円熟の演技ももちろん素晴らしいのですが、この映画はなんといっても、名優スコット・グレンの存在が大きいです。
この人の出演により、本作は引き締まった秀作に昇華したと思います。


posted by solata at 22:06| Comment(0) | 映画/音楽/スポーツ/TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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